春節の伝説

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伝説によるとその昔、人々が恐れる年兽(niánshòu:「年」という化け物)がいたそうな。

その化け物、年兽は村に来るとなんと、人を食べていたそう。

ある時、人々は、年兽は毎年、除夕(chúxī:大晦日)の夜になると姿を現し、日が登ると森に帰って行くことに気づいた。

そこで、除夕の夜になったら皆、戸締りをしっかりとして家の中に身を潜めることにした。

家族の誰かが食べられてしまう可能性もあったため、その日の夕飯にはご馳走を用意し、食べ始める前にはご先祖様にお供をし、その一夜を家族全員が無事に過ごせるように祈る。

家族全員で一緒に食卓を囲み、最後になるかもしれない団欒を楽しむという目的もあった。

だがやはり、夜は年兽がいつ襲ってくるかわからず皆寝られなかった。

それで除夕の日は、寝ずに夜を明かすようになったという。

また、ある年の除夕の夜に年兽は村人のほぼ全員を食べてしまい、残ったのは子供のいる1世帯になった。

例年のようにやってきた年兽はその家族が赤い服を身に付けているのを見て逃げていった。

それに何人かの子供が竹に火をつけて遊んでおり、弾けてパンッパンッと鳴る音が怖かったらしく、これでも逃げていった。

この様子を見て、人々は年兽に赤色や爆竹の音を怖がる習性があるとわかった。

そこで、除夕の夜に窓には赤い紙(红纸:hóngzhǐ)を貼ったり、赤い服を着たり、赤い提灯(红灯笼:hóngdēnglóng)を吊り下げたり、爆竹(爆竹:bàozhú)を鳴らしたりする風習が根付き、それ以降もう年兽は来なくなった。

めでたしめでたし、というのが春節(春节:chūnjié)の由来となる伝説である。

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